厚生労働省研究班と日本睡眠学会が、睡眠薬の適切な使用方法と上手に止めるための診療指針を公表しました。指針は、日本睡眠学会のサイトに掲載されております。
内容としましては、睡眠薬はどんな症状に効果があるのか?とか、服用する際の注意点、減量していくための方法など、40項目にわたってQ&A形式で解説しています。また、睡眠薬を服用せずに不眠症を治していくための効果的な対策なども併せて紹介しています。

 現在、10人に1人は不眠症で悩んでいるといわれ、当センターに来談される方の相談でも不眠を訴える方が多くいらっしゃいます。よく聴く声として、「眠れなくて困っているが、睡眠薬の服用には抵抗がある」とか、「睡眠薬を飲んで眠れるようになったが、飲むのを止めたら眠れなくなるのではないかと心配で、怖くて止められない」といったことなどがあります。確かに、睡眠薬に限らず他の抗不安薬などもそうなのですが、これらの薬は依存症を引き起こしやすいといわれております。しかし、飲み続けていいものではないことも確かです。

 眠れなくて苦しい思いをしている方が、早くなんとかしたいと思って睡眠薬に頼ることは自然なことであり、そうした方が良い場合があるのも事実です。睡眠薬によって気持ちの良い眠りを手に入れた後は、自然な眠りへと通じる出口まで、気持ち良く辿っていってもらいたいですね。