本日の朝日新聞の天声人語に、こんな文章が載っていました。「人目を気にする性分の人は昔からいる。突き放すようだが言いたくなる。当人が視線を恐れるほどには、周りは当人を見ていないのではないか、と」。これを読んで、すかさず思ってしまいました。「周りの人を見て、どうこう言う人がいるから、こういう‟あだ名”のような言葉が生まれるのではないか-」と。

 ぼっちについて本文の中で、「ぼっちとは「友達がいない、ひとりぼっちの人」を指す若者言葉だ。(中略)ぼっちには、1人は寂しい、かわいそう、自分はなりたくない、といった否定的な意味合いも込められているようだ」とあります。否定的な意味合い“も”となっていますが、ぼっちという言葉に、否定的な意味合い以外の意味など、あるのでしょうか?私にはこの言葉は、他人を見下した、差別用語の何物でもないように思えてなりません。だからこそ紙面には、言われている方に気にするなと言うのではなく、言う方の人達に対して、「そんなことを言って、何が楽しいのか?」というくらいのことを書いてほしかったと思います。

 天下の天声人語が、この言葉を使うことを容認するような発言をなされていることに、深い悲しみを覚えました。